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 医療事故インフォメーション

大腸がん関連の医療事故(見落とし、大腸閉塞、縫合不全)

最近、大腸関連のご相談が非常に多く、その大半は、大腸がん又は大腸閉塞に関するものです。大腸がんは大腸閉塞の主要な原因であるため、両方が問題になるケースもあります。

大腸がんに関するご相談が多いのは、大腸がんの発症件数が非常に増加しているためだと思われます。厚労省の統計(平成29年)では、日本人の死因1位はがん(悪性新生物)であり、その中の大腸がんの件数は、男性では3位(1位は肺がん、2位は胃がん)、女性では1位となっています。

大腸がんに関連する医療事故として多いのは、1:見落とし(発見の遅れ)、2:大腸閉塞の治療の遅れ、不備、3:大腸切除術の際の縫合不全(吻合不全)です。私の最近の経験では、2と3が非常に多いです。

2では、腸閉塞の基本的な検査・治療(絶食、輸液、抗生剤、イレウス管又は大腸ステント)の遅れ、腸閉塞のうち、複雑性腸閉塞(腸管に血流障害があるもの=壊死・穿孔の危険がある)の緊急手術の遅れ、3では、大腸がん切除術の手技の誤りの有無、縫合不全の発見・治療の遅れなどが主に問題となります。

1から3のいずれの事案でも、致死的疾患である大腸がんであるため、適切な治療をしていれば救命できたか、という因果関係に関して、大腸がんの進行度(Stage)が問題となります。

このように、大腸がんは頻度の高い疾患ですが、医療事故における要考慮事項が多く、患者側は、相当な時間と労力を強いられます。

 

 

2018年裁判結果

以下は、平成30年の新規提訴、判決又は裁判上の和解による解決の状況です。

新規提訴5件(大阪地裁、うち2件は関連事件) 

裁判上の和解による解決2件(大阪地裁=カテーテル感染、ステロイド副作用、神戸地裁=脱水) 

判決1件(京都地裁・一部勝訴=病院内転倒)

刑事告訴受理1件(大阪府警=腹膜透析)

大腸閉塞

最近、高齢者の方の大腸閉塞の事案のご相談が多いです。

以下は、基本書に書かれている教科書的な知識ですが、それを遵守しない医療行為によって、事故が発生しています。

 

小腸閉塞と大腸閉塞を含む腸閉塞は、高齢者の急性腹症の中で最も頻度が高く、大腸閉塞の原因としては、大腸がんが多いとされています。

私の相談事例では、大腸がんと並んで、便秘、糞便性腸閉塞が多いです。

腸閉塞は、強い痛み、嘔吐、腹部膨満が特徴的であり、XP検査又はCT検査で確定診断できます。

腸管に血流障害があり(=複雑性腸閉塞)、腸管の壊死・穿孔の可能性がある場合は、造影CTで評価します。

高齢者の場合は、痛み等の症状が一般の人より出にくいため、注意が必要です。

腸管の壊死・穿孔が生ずると、急速に細菌感染(Bacterial translocationn=BT)、敗血症が進行し、致死的となりますが、

腸管に血流障害がない場合も、血流障害を伴う複雑性腸閉塞に移行したり、BTを生じたりする場合があるため、厳重な経過観察が必要です。

大腸閉塞に関連する医療事故の多くは、虫垂炎等の他の疾患の場合でもそうですが、患者が腹痛を訴え続けているのに、祝日もため、画像検査をすぐにせず、翌日に予定したら、深夜に容態急変して死亡したとか、CT検査をしたが、主治医がそれをよく見ていなかったとか、一定の治療はしたものの、厳重な経過観察をしない間に容態が悪化して手遅れになったなというような、基本的なミスが原因で起きています。

ポイントは、このような基本的なミスであることが浮き彫りになる程度に、シンプルな事実関係を立証できるかです。

被害者・遺族の側は、事案を複雑化して考え、あれも悪い、これも悪いと、様々な過失を問題にし、病院側の落ち度が大きいと主張される傾向がありますが、

多くの場合、このような主張は、ご自分が思っておられるほど、立証できておらず、どれここれも採用されず、成功しません。

 

 

 

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